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情シスアウトソーシングを比較|サービスの種類・費用・選び方を解説

情シスアウトソーシングは、社内の情報システム業務の全部または一部を外部の専門会社に任せるサービスです。情シス担当者が不在・兼任の中小企業にとって、採用に頼らずにIT管理の体制を整える手段として検討されています。

ただし、サービスは提供形態や対応範囲、料金体系がさまざまで、何を基準に比べればよいか迷いやすいものです。比較の軸を先に決めておけば、自社に合う委託先を絞り込みやすくなるでしょう。本記事では、サービスの種類、費用の目安、委託先の比較ポイント、導入の流れを順に解説します。

この記事でわかること

  • 情シスアウトソーシングは、常駐型・リモート型・スポット型という提供形態の違いで、対応の速さと費用のバランスが変わる。
  • 費用は委託範囲によって月数万円から数十万円まで幅があり、料金体系と委託範囲をそろえて見積もりを比べる必要がある。
  • 委託先を比較する際は、対応範囲、対応時間、訪問対応の可否、セキュリティ対策、契約条件の5点を確認する。
  • 導入は委託業務の洗い出しから始め、現状調査を経て委託範囲を確定し、運用開始後も定期的に見直す流れで進める。

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情シスアウトソーシングとはどのようなサービス?

比較を始める前に、情シスアウトソーシングがどのようなサービスで、どこまでの業務を任せられるのかを押さえておきましょう。あわせて、中小企業で利用が広がっている背景も紹介します。

情シス代行とも呼ばれる情シスアウトソーシングの意味

情シスアウトソーシングとは、企業の情報システム部門(情シス)が担う業務の全部または一部を外部の専門会社に委託するサービスです。PCやサーバー、ネットワークの管理、社員からのIT問い合わせ対応などを、社外の技術者が代わりに担います。

このサービスは「情シス代行」「情シス外注」「情シス支援」「情シスサポート」「社内ITサポート」など、さまざまな名前で呼ばれています。呼び方は違っても、社内のIT管理を外部の専門家に任せるという中身はほぼ共通しているため、名称ではなく委託できる範囲で比べることが大切です。

なお、業務プロセスそのものを丸ごと外部化するBPOや、人材を受け入れる派遣、IT戦略の助言を受けるコンサルティングも、広い意味では情シス業務を外部に頼る方法といえます。本記事で比較の対象とするのは、日々のIT管理や問い合わせ対応を委託するアウトソーシングサービスです。

情シスアウトソーシングで委託できる主な業務

情シスアウトソーシングで任せられる業務は、日常的な問い合わせ対応から、サーバーやネットワークの構築・保守まで多岐にわたります。委託先によって対応できる範囲が異なるため、自社が任せたい業務がサービスの対象に含まれているかを最初に確認しておきましょう。

代表的な業務を区分ごとに整理すると、次の表のとおりです。

業務区分 具体的な業務の例
ヘルプデスク 社員からのPC操作やトラブルの問い合わせ対応
IT機器の導入 PCのキッティング(初期設定)、機器の選定や購入の代行
運用・保守 サーバーやネットワークの構築、保守、障害対応
アカウント管理 メールやクラウドサービスのユーザー設定、権限設定
セキュリティ ウイルス対策ソフトの導入、セキュリティ設定の相談

中小企業で情シスアウトソーシングが選ばれる背景

中小企業で情シスアウトソーシングが選ばれる背景には、社内のIT人材不足があります。2024年度の速報値では、従業員100名以下の中小企業の88%が、情シス要員1人以下の状態にあると報告されています。

従業員10名以上300名未満の中小企業を対象にした2024年7月の調査では、情シス業務を全部または一部外部委託している企業が70.3%にのぼりました。委託の理由として上位に挙がった項目は次のとおりです。

情シス業務を外部委託する主な理由

  • 社内に専門知識を持つ人材がいない(59.0%)
  • コストを削減したい(42.3%)
  • 担当者の負担を軽減したい(35.9%)

参照:中小企業IT投資動向調査(一般社団法人ひとり情シス協会、2024年度)/情シス業務の外部委託に関する実態調査(株式会社バッファロー、2024年7月)

情シスアウトソーシングのサービスにはどんな種類がある?

情シスアウトソーシングのサービスは、技術者がどのような形で業務にかかわるかによって、大きく3つの提供形態に分けて考えると整理しやすいでしょう。ここでは各形態の特徴と、向いている企業を比較します。

技術者が社内に常駐する常駐型サービス

常駐型は、委託先の技術者が自社のオフィスに常駐し、情シス業務を担当する形態です。社員が直接声をかけられるため、機器の故障やネットワーク障害にもその場で対応してもらえます。

一方で、技術者1人分の稼働を確保する形になるため、3つの形態のなかでは費用が最も高くなりやすい点に注意が必要です。社員数やIT機器が多く、問い合わせが毎日のように発生する企業に向いています。

リモート操作で問い合わせに対応するリモート型サービス

リモート型は、電話やメールで問い合わせを受け付け、遠隔操作ツールを使ってPCの設定やトラブルに対応する形態です。技術者が移動しなくて済むぶん、常駐型より費用を抑えやすいのが特徴といえます。

ただし、ケーブルの差し替えや機器の交換といった物理的な作業は、遠隔では対応できません。リモート型を選ぶ場合は、必要なときに技術者の訪問を依頼できるかもあわせて確認しておくと安心です。

必要なときに技術者が訪問するスポット型サービス

スポット型は、PCの入れ替えやネットワークの構築、障害の復旧など、必要が生じたときだけ作業を依頼する形態です。依頼した作業ごとに料金が発生するため、IT関連の作業がたまにしか発生しない企業では費用を抑えられます。

反面、継続的な契約がないと委託先が自社の環境を把握しておらず、依頼のたびに現状の説明や調査が必要になる場合があります。日常の問い合わせ対応はリモート型の月額契約で委託し、訪問作業だけをスポットで依頼する組み合わせも一般的です。

3つの提供形態の違いをまとめると、次のようになります。

項目 常駐型 リモート型 スポット型
対応方法 技術者が社内で対応 電話・メール・遠隔操作で対応 依頼時に技術者が訪問
対応の速さ その場で対応できる 遠隔ですぐ対応できる 日程調整が必要
費用の傾向 高くなりやすい 抑えやすい 作業ごとに発生
向いている企業 社員数・IT機器が多い企業 日常の問い合わせを任せたい中小企業 IT作業の頻度が低い企業

情シスアウトソーシングの費用相場はどのくらい?

情シスアウトソーシングの費用は、料金体系と委託する業務の範囲によって大きく変わります。複数のサービスを比較する前に、料金の決まり方と費用の目安を確認しておきましょう。

情シスアウトソーシングの主な料金体系

情シスアウトソーシングの料金体系は、毎月決まった額を支払う月額固定型と、作業量や時間に応じて支払う従量課金型に大別できます。導入時に、現状調査や環境整備のための初期費用が別途かかるサービスもあります。

料金体系 仕組み 利用・比較のポイント
月額固定型 PC台数や委託範囲に応じた定額を毎月支払う 問い合わせが継続的に発生し、予算を一定にしたい
従量課金型 作業時間や依頼回数に応じて支払う IT作業の発生頻度が低く、必要な分だけ払いたい
初期費用 導入時の現状調査や台帳作成などにかかる 月額費用とあわせて総額で比較する

月額費用だけを見ると安く感じても、訪問作業や障害復旧が別料金になっている場合があるため、年間で想定される作業を含めた総額で比べることが重要です。

委託範囲で変わる情シスアウトソーシングの月額費用

月額費用は、どこまでの業務を委託するかで桁が変わります。IT製品比較サイトのITトレンドが紹介している月額固定型の目安は、業務を絞った委託なら8,000円〜数万円、情シス業務を総合的に任せる場合は40万円〜80万円程度です。

ASPICの解説では、中小・中堅企業向けで問い合わせ対応が中心のサービスは月額10万円以下が目安とされています。日常の問い合わせ対応とPC管理が中心であれば、月数万円から10万円程度を一つの目安に見積もりを比べるとよいでしょう。

情シス担当者を社内で雇用する場合のコスト

アウトソーシングの費用が妥当かどうかは、社内で情シス担当者を雇用する場合と比べると判断しやすくなります。一般的な試算では、情報セキュリティの担当者を1人雇用するだけでも月30万円以上のコストがかかるとされています。

さらに、採用や教育の費用、退職時の引き継ぎの負担も考慮しなければなりません。業務量が担当者1人分に満たない企業では、必要な範囲だけを外部に委託したほうが費用を抑えられる場合が多いといえます。

参照:ITアウトソーシングの解説記事(ITトレンド)/情シスアウトソーシングの比較解説(ASPIC)

情シスアウトソーシング会社を比較するときの選び方は?

情シス業務を外部委託した企業が感じている課題として、ある調査では「費用の高騰」が57.7%、「情報漏洩リスク」が38.5%、「業者選定の難しさ」が34.6%と上位に挙がりました。こうした課題を避けるためにも、委託先は次の5つの観点で比較しましょう。

比較ポイント 確認する内容
対応範囲 任せたい業務、利用中の機器・OS・クラウドサービスに対応しているか
対応時間 自社の営業時間と問い合わせの受付時間が合っているか
訪問対応 技術者の訪問が可能か、自社の所在地が対応エリアに入っているか
セキュリティ 遠隔接続の方式、認証の取得状況、情報の取り扱いルール
契約条件 契約期間、中途解約の条件、追加費用が発生する作業の範囲

自社の課題に合う対応範囲かを比較する

情シスアウトソーシングのサービスには、幅広い業務に対応する総合型のほか、システム運用に特化した型、ヘルプデスクなどのサポートに特化した型があります。問い合わせ対応の負担を減らしたいのか、サーバーやクラウドの管理まで任せたいのかによって、選ぶべき型は変わります。

比較の際は、WindowsとMacの両方に対応しているか、利用中のクラウドサービスを扱えるかなど、自社の利用環境が対応範囲に入っているかを確かめましょう。IT機器の導入から廃棄までの管理や、ソフトウェアのライセンス管理に対応しているかも比較のポイントになります。

問い合わせに対応できる時間帯を比較する

問い合わせを受け付ける曜日や時間帯は、サービスごとに異なるのが一般的です。平日の日中のみ対応するサービスもあれば、土日の対応を有料オプションとしているサービスもあります。

自社の営業日や営業時間と照らし合わせ、トラブルが起きやすい時間帯に連絡がつくかを確認しておくことが大切です。受付から一次回答までの目安時間が決められているかも、あわせて確認しておきましょう。

技術者の訪問に対応できるかを比較する

リモートでの対応を基本とするサービスでも、機器の交換や配線の確認には技術者の訪問が欠かせません。訪問作業が月額費用に含まれるのか、別料金になるのかはサービスによって異なります。

訪問対応のエリアが限られているサービスも多いため、自社の拠点が対応エリアに含まれているかを契約前に確認しておきましょう。

委託先のセキュリティ対策を比較する

情シスアウトソーシングでは、委託先が自社のPCやサーバー、アカウント情報に触れることになります。そのため、委託先の情報管理体制は費用と同じくらい重要な比較ポイントです。

IPA(情報処理推進機構)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」でも、委託先を含めたサプライチェーン全体での対策が重視されています。ISMS(ISO/IEC 27001)やプライバシーマークの取得状況に加え、遠隔操作の際に無断で接続されない仕組みになっているかも確認しておきましょう。

情シスアウトソーシングの契約条件を比較する

情シスアウトソーシングでは、最低契約期間が1年程度に設定されているサービスも珍しくありません。中途解約の可否や、解約時に残りの期間の料金が発生するかどうかは、事前に確認すべき項目です。

見積もりを比較する際は、月額費用に含まれる作業と追加費用になる作業の境目を明確にしておくと、導入後の費用の膨らみを防げます。対応内容をまとめた報告書が定期的に提出されるかどうかも、委託後に社内で状況を把握するうえで役立つ確認ポイントです。

参照:情シス業務の外部委託に関する実態調査(株式会社バッファロー、2024年7月)

情シスアウトソーシングを導入する流れは?

委託先を比較して選んだあとは、段階を踏んで導入を進めることで、引き継ぎの漏れや認識のずれを防げます。一般的な導入の流れは次のとおりです。

情シスアウトソーシング導入の4ステップ

  • 委託したい情シス業務を洗い出す
  • 複数のサービスから見積もりを取って比較する
  • 現状調査を受けて委託範囲を確定する
  • 運用開始後に委託範囲を定期的に見直す

委託したい情シス業務を洗い出す

最初に、現在社内で誰がどのようなIT業務を担っているかを書き出します。問い合わせの件数や内容、使用しているPCの台数、サーバーやクラウドサービスの種類も整理しておけば、見積もりの精度を高められるでしょう。

洗い出した業務を「社内に残す業務」と「外部に任せる業務」に分けておくと、委託先に求める条件がはっきりします。

複数の情シスアウトソーシング会社から見積もりを取る

委託したい業務が決まったら、複数の情シスアウトソーシング会社に同じ条件を伝えて見積もりを依頼するのが基本です。条件をそろえて依頼することで、費用と対応内容を公平に比べられます。

見積もりを受け取ったら、前章の比較ポイントに沿って、費用だけでなく対応範囲や契約条件の違いまで確認しましょう。

現状調査を受けて委託範囲を確定する

委託先が決まると、多くの場合、技術者が社内のIT資産やネットワーク環境を調査します。この調査結果をもとに管理台帳の作成や設定の改善点が提案され、委託範囲が最終的に固まるという流れです。

現状調査の段階で、パスワードや設定情報など担当者しか知らない情報を委託先と共有しておくと、運用開始後の対応がスムーズになります。

運用開始後に委託範囲を定期的に見直す

運用が始まったあとも、社員数の増減や新しいシステムの導入によって、必要な支援の内容は変わっていきます。委託先からの報告をもとに、問い合わせの傾向や対応状況を定期的に振り返ることが大切です。

半年や1年といった区切りで委託範囲と費用のバランスを見直せば、過不足のない体制を保ちやすくなります。

中小企業の情シスアウトソーシングに対応するCTSの「ITサポート&サービス」

シーティーエス株式会社(CTS)の「ITサポート&サービス」は、一般中小企業向けのシステム管理部門アウトソーシングです。お客様のPC・サーバー・ネットワークなどのIT資産管理を代行し、情シス担当者が不在・兼任の企業を支援します。

基本パッケージで自社専用のITサポートセンターを開設する

基本パッケージでは、初期現場調査、IT資産管理台帳の作成、調査結果と改善点のアドバイスを経て、自社専用のITサポートセンターを開設します。PCやネットワーク、サーバーの不調、セキュリティの相談などに、電話やメールで技術者が対応する仕組みです。

基本パッケージの月額費用は、PC10台以下の場合で22,000円(税抜)からです。初期現場調査の費用は現在キャンペーン価格の0円で提供しています。

運用代行プランで社内サーバーの日常管理を任せる

基本パッケージに加えて利用できるのが、NASやWindows Server、メールサーバー、クラウドサービスの運用を任せられる運用代行プランです。ユーザー設定やアクセス権限設定、バックアップ設定の変更など、担当者に負担が偏りやすい運用業務をまとめて委託できます。

オプションプランで突発的な障害復旧に対応する

障害復旧、ネットワーク構築、サーバーのリプレイス、セキュリティ設定など、突発的に発生する作業はオプションプランで対応します。リモート対応には、起動のたびにワンタイムパスワードが生成される「TeamViewer」を採用しており、サポート側から無断で接続できない仕組みです。

サービスの対応時間は平日9:00〜17:00で、対応エリアは東京都市圏を中心に、公共交通機関でおおむね1時間以内の範囲です。契約は基本的に1年間で、支払いは毎月となります。

CTSの「ITサポート&サービス」の特徴
  • PC10台以下なら月額22,000円(税抜)から利用可能
  • 初期現場調査からIT資産管理台帳の作成まで基本パッケージで対応
  • 運用代行プランでサーバー・クラウドの日常管理も委託可能
  • オプションプランで障害復旧やネットワーク構築にも対応
  • リモート対応はワンタイムパスワード方式で無断接続を防止

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よくある質問

情シスアウトソーシングの比較・検討を進める企業からよく寄せられる質問と回答をまとめました。

Q. 従業員数が少ない会社でも情シスアウトソーシングを利用できますか?
A. 利用できます。PC台数に応じた月額料金を設定しているサービスであれば、社員が数名から十数名程度の会社でも、規模に見合った費用で委託できます。専任の担当者を置く余裕がない小規模な会社ほど、外部に任せる効果を実感しやすいでしょう。
Q. 情シス業務の一部だけを委託することはできますか?
A. 多くのサービスで一部の業務だけを委託できます。たとえば、PCやメールアカウントの手配だけを任せて日々の運用は社内で行うなど、自社の状況に合わせて委託範囲を絞り込む使い方も可能です。
Q. 情シスアウトソーシングを導入したあとも社内に担当者は必要ですか?
A. 委託先との窓口となる担当者を1人決めておくことをおすすめします。専門的な知識は必要ありませんが、社内の要望を取りまとめたり、委託先からの報告を受け取ったりする役割を担う人がいると、運用が滞りにくくなります。
Q. 海外版のOSやスマートフォンも委託の対象になりますか?
A. サービスによって対応範囲が異なるため、契約前の確認が欠かせません。CTSの「ITサポート&サービス」の場合、海外版OSやスマートフォン・タブレット専用OSは対象外です。利用している機器やOSの一覧を事前に伝え、対応可否を確かめておきましょう。

まとめ

情シスアウトソーシングは、情シス代行や情シス外注とも呼ばれ、社内のIT管理や問い合わせ対応を外部の専門会社に任せるサービスです。提供形態には常駐型・リモート型・スポット型があり、対応の速さと費用のバランスがそれぞれ異なります。

費用は委託範囲によって月数万円から数十万円まで幅があるため、料金体系と委託範囲をそろえたうえで総額を比べることが欠かせません。委託先を比較する際は、対応範囲、対応時間、訪問対応、セキュリティ対策、契約条件の5点を確認しましょう。

まずは社内のIT業務を洗い出し、どこまでを外部に任せるかを決めるところから始めてみてください。

この記事のまとめ

  • 情シスアウトソーシングは名称にかかわらず、委託できる業務範囲で比較する
  • 常駐型・リモート型・スポット型の違いを踏まえ、自社の問い合わせ頻度に合う形態を選ぶ
  • 費用は月額費用だけでなく、追加作業を含めた年間の総額で比べる
  • 委託したい業務を洗い出し、複数社から同じ条件で見積もりを取る
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ひとり情シスとは?増加の背景から課題への対処法まで解説

ひとり情シスとは?増加の背景から課題への対処法まで解説

ひとり情シスとは、情報システム部門の業務を実質的に1人、またはごく少人数の担当者が担っている状態を指します。

専任の担当者がいない、または担当者が1人しかいない体制では、業務範囲の広さによる負荷集中やノウハウの属人化、相談相手の不在によるIT戦略の停滞といった課題が重なりやすくなります。自社の情シス体制を見直すには、こうした課題を整理したうえで、担当者の不在や退職に備えた事業継続の備えまで検討しておく必要があります。

この記事でわかること
  • ひとり情シスとは、情報システム部門の業務を実質的に1人で担っている状態を指す。
  • 業務範囲の広さ、知識の属人化、孤立によるIT戦略の停滞が、ひとり情シスが直面しやすい主な課題になる。
  • 業務の仕分けとマニュアル化、ツールの活用、外部委託の段階的な活用が課題への有効な対処法になる。
  • 担当者の退職・休職に備えて、依存する情報の洗い出しとナレッジ共有の仕組み化が事業継続の備えになる。
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ひとり情シスとは?増加している中小企業の実態

ひとり情シスとは?増加している中小企業の実態

ひとり情シスという言葉は、情シス担当者が実質1人で業務を担う状態を指す言葉として使われています。まずはその定義と、中小企業で増加している実態を確認します。

ひとり情シスの定義に該当するケース

ひとり情シスとは、情報システム部門の業務を実質的に1人、またはごく少人数の担当者が担っている状態を指します。本来の業務を抱えながら情シス業務を兼務する「兼任情シス」は、用語を提唱した一般社団法人ひとり情シス協会ではひとり情シスとは別のカテゴリとして整理されていますが、ひとり情シスと近い課題を抱えるケースとして併せて紹介されています。

システム担当者が不在の中小企業が増えている実態

中小企業の情シス担当者不在は、データからも裏付けられています。従業員10〜299人の中小企業のうち、システム担当者を持たない企業(社外委託・兼務を含む)は27.5%にのぼります。従業員10〜29人規模に限ると、その割合は48.2%まで上昇します。

情報セキュリティ対策の担当部署・担当者を組織的に任命していない中小企業も約7割存在し、専門部署を置く企業はわずか9.3%にとどまります。

項目 割合
システム担当者がいない中小企業(全体) 27.5%
従業員10〜29人規模での不在率 48.2%
セキュリティ担当部署・担当者を任命していない企業 約7割
セキュリティ専門部署を置く企業 9.3%

ひとり情シスが増加している背景

ひとり情シスが増加している背景には、いくつかの要因が重なっています。

IT業界全体で人材の入職者が退職者を下回る傾向にあり、IT人材そのものの不足が続いています。DXやICT化が急速に進む一方で、中小企業では対応のためのリソース確保が追いついていません。情シス業務を「直接利益を生まない」業務と経営層が過小評価しがちなことも、増員が進みにくい一因です。

参照:中小企業におけるシステム担当者不在の実態調査(株式会社kubell、2025年12月)/2024年度中小企業等実態調査結果(IPA、2025年2月公表)

ひとり情シスが直面しやすい課題とは?

情シス担当者が1人体制になると、業務量や責任の重さから特有の課題が生じやすくなります。ここでは代表的な3つの課題を確認します。

ひとり情シスが直面しやすい3つの課題

  • 業務範囲の広さ:多岐にわたる業務を実質1人で担うため、負荷が集中しやすい
  • 知識の属人化:ノウハウが担当者個人に蓄積され、退職・休職時の引き継ぎが困難になる
  • 孤立:相談相手がおらず、IT戦略の検討やスキルアップの機会が乏しくなりやすい

業務範囲の広さで負荷が集中しやすい

ひとり情シスの業務範囲は、PC・サーバー・ネットワークの運用保守からヘルプデスク対応、IT資産管理、セキュリティ対策、新規システムの企画・導入検討まで多岐にわたります。

これらの業務を実質1人で担うため、慢性的な業務過多に陥りやすい点が最大の課題です。

突発的な障害対応が加わると、長時間労働が常態化するおそれもあります。

知識やノウハウが属人化しやすい

情シス業務が1人に集中すると、知識やノウハウが担当者個人に蓄積される属人化が進みます。当該担当者が休職・離職した際に、引き継ぎが困難になる点は見過ごせないリスクです。情報共有やノウハウの蓄積が不十分になりがちなことも、属人化を助長する要因です。

孤立してIT戦略を進めにくい

社内に同じ立場で相談できる相手がいないことも、ひとり情シス特有の課題です。日々の運用対応に追われ、中長期的なIT戦略の検討まで手が回らないケースも多く見られます。スキルアップの機会が乏しくなりやすい点も、あわせて指摘されています。

ひとり情シスの課題に対処する方法

ひとり情シスの課題は、いくつかのアプローチを組み合わせることで軽減できます。ここでは代表的な3つの対処法を紹介します。

ひとり情シスの課題への3つの対処法

  • 業務の仕分けとマニュアル化:経営判断を伴う業務と定型業務を仕分け、定型業務からマニュアル化する
  • ツールの活用:チャットボットやFAQツール、RPAで定型業務を効率化する
  • 外部委託の段階的な活用:社内の工夫だけで対応しきれない業務を専門業者に任せる

業務を仕分けてマニュアル化する

最初の対処法は、担当している業務を経営判断を伴う業務と定型的にこなせる業務に仕分けることです。定型業務から優先してマニュアル化を進めることで、属人化の防止と引き継ぎのしやすさにつながります。

ツールを活用して定型業務を効率化する

マニュアル化と並行して、ツールの活用による効率化も有効な対処法です。チャットボットやFAQツールを導入すれば、従業員からの定型的な問い合わせをある程度自己解決に誘導できます。RPA(パソコン上の定型作業を自動で実行させる仕組み)を使えば、定型作業そのものを自動化することも可能です。

外部委託を段階的に活用する

社内での工夫だけでは対応しきれない場合は、外部委託の活用も選択肢に入ります。実際に、中小企業の情シス担当者の70.3%が外部委託をすでに実施しており、主な理由は「専門的知識・スキルを持つ人材が社内にいないから」(59.0%)です。

外部委託にセキュリティ対策の一部を任せる場合は、契約時に責任分界(どこまでを委託先が担うか)を明確にしておくことが望ましいとされています。

参照:情シス業務の外部委託に関する実態調査(株式会社バッファロー、2024年7月)

ひとり情シス特有の事業継続リスクに備える方法

ひとり情シス特有の事業継続リスクに備える方法

ひとり情シス体制には、担当者本人に関わる事業継続上のリスクも潜んでいます。ここでは、担当者の退職・休職に備えて検討しておきたいポイントを整理します。

担当者の退職・休職に備える3つのポイント

  • 依存情報の洗い出し:ネットワーク構成・機器設定・保守連絡先・障害対応手順・アカウント権限など、特定の1人に集中する情報を洗い出す
  • マニュアル化・ナレッジ共有:洗い出した情報をマニュアルやFAQとして整備し、日頃から蓄積する
  • 外部委託による依存度低減:業務の一部をアウトソーシングし、特定の担当者への依存を減らす

特定の担当者に依存する情報を洗い出す

ひとり情シス体制で担当者が退職・休職すると、引き継ぎが困難になりやすいという課題があります。社内ネットワークの構成や機器設定、保守会社の連絡先、障害対応の手順、各種アカウントや権限の管理といった情報が、特定の1人に集中しているためです。

まずは、こうした情報の中で誰か1人に依存しているものを洗い出すことが備えの第一歩です。

マニュアル化してナレッジを共有する仕組みを整える

洗い出した情報は、マニュアルやFAQとして整備し、日頃からナレッジベースに蓄積しておくことが有効です。退職が決まってから慌てて引き継ぐのではなく、誰が見ても状況を追える状態を段階的に整えておくことが重要です。

業務の一部を外部委託して依存度を下げる

業務の一部をアウトソーシングし、特定の担当者への依存度を下げておくことも、事業継続上の備えの一つです。組織全体のITリテラシーを底上げしておくことも、担当者不在時の混乱を抑えるうえで役立ちます。

ひとり情シスの負担軽減に活用できるCTSのITサポート&サービス

ひとり情シスの負担を軽減する選択肢の一つに、CTS(シーティーエス株式会社)のITサポート&サービスがあります。中小企業向けに、貴社専用のITサポートセンターを開設する形でIT資産の管理やヘルプデスク対応を代行するサービスで、PC10台以下であれば月額22,000円(税抜)から利用できます。

契約後は、次の流れで導入が進みます。

  1. 初期現場調査でIT資産とネットワーク環境を把握する。
  2. 把握した内容をもとにIT資産管理台帳を作成する。
  3. 調査結果や改善点のアドバイスを行う。
  4. 貴社専用のITサポートセンターを開設する。

IT資産管理台帳を整備しておけば、担当者1人の頭の中にしかない情報を減らすことにもつながります。リモート対応が必要な場合も、起動のたびに使い捨てのパスワードが発行される仕組みのソフトウェアを使用しており、サポート側から無断で接続することはできません。サービス対応時間は平日9:00〜17:00で、東京都市圏を中心に対応しています。

自社の情シス業務のどこまでを自社で担い、どこから委託するかを検討する際の選択肢として、資料をあわせて確認してみてください。

CTSのITサポート&サービスの特徴
  • PC10台以下なら月額22,000円(税抜)から利用可能
  • 企業専用のITサポートセンターを開設し、IT資産管理やヘルプデスク対応を代行
  • 起動のたびに使い捨てパスワードが発行される仕組みでリモート対応も安全
  • 対応時間は平日9:00〜17:00、東京都市圏を中心に対応
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よくある質問

ひとり情シスに関してよく寄せられる質問と回答をまとめました。

Q. ひとり情シスは何人からその状態に該当しますか?
A. 担当者が1人の場合はもちろん、本来の業務と兼務しながら情シス業務を担う「兼任情シス」も、ひとり情シスと近い課題を抱えるケースとして挙げられます。人数だけでなく、業務範囲や負荷の大きさから判断することが重要です。専任か兼任かによっても課題は変わるため、自社の業務量を洗い出したうえで判断すると実態を把握しやすくなります。
Q. ひとり情シスの状態を放置するとどうなりますか?
A. 業務過多による長時間労働の常態化や、ノウハウの属人化が進みやすくなります。担当者が退職・休職した場合には、引き継ぎが困難になり社内のITインフラが一時的に機能不全に陥るおそれもあります。早い段階から負荷軽減策や情報共有の仕組みを整えておくことが望まれます。
Q. 情シス業務は一部だけ外部委託することもできますか?
A. 可能です。すべての業務を丸ごと委託するのではなく、定型的な業務や特定の領域だけを切り出して依頼する部分的な委託という方法もあります。機密性の高い業務や経営判断を伴う業務は自社に残し、負荷の大きい定型業務から委託を検討する進め方が現実的です。
Q. 担当者が退職する場合、まず何をすればいいですか?
A. 退職が決まった時点で、社内システムの構成や契約・保守の情報、各種アカウントと権限、障害対応の履歴といった、その担当者に集中している情報を優先的に整理することが第一歩です。あわせて、日頃からマニュアルやFAQを整備しておくと、急な引き継ぎにも対応しやすくなります。

まとめ

ひとり情シスとは、情報システム部門の業務を実質的に1人、またはごく少人数の担当者が担っている状態を指します。中小企業では担当者が不在・不足している企業が一定数存在し、業務範囲の広さや知識の属人化、孤立によるIT戦略の停滞といった課題が生じやすい傾向にあります。

こうした課題には、業務の仕分けとマニュアル化、ツールの活用、外部委託の段階的な活用といった対処法を組み合わせることが有効です。担当者の退職・休職に備えて、特定の1人に依存する情報を洗い出し、マニュアル化やナレッジ共有の仕組みを整えておくことも欠かせません。

自社の情シス体制を振り返り、無理のない範囲で対処法を取り入れてみてください。

この記事のまとめ

  • ひとり情シスとは、情報システム部門の業務を実質的に1人で担っている状態を指す。
  • 業務範囲の広さや知識の属人化が、ひとり情シス特有の課題になりやすい。
  • 業務の仕分けとツール活用、外部委託の段階的な活用が課題への対処法になる。
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社内ヘルプデスクの立ち上げから運用まで実務のポイントを解説

社内ヘルプデスクの立ち上げから運用まで実務のポイントを解説

社内ヘルプデスクを立ち上げる際は、言葉の意味を理解するだけでなく、体制構築や運用フローの設計まで踏み込んで検討する必要があります。情シス担当が不在・兼任の中小企業では、何から手をつければよいか迷いがちです。

自社に合った体制を整えるには、対応範囲や役割分担の決め方から運用フローの設計、少人数でも回すための工夫、外部委託との使い分けまでを順に押さえていく必要があります。

この記事でわかること
  • 社内ヘルプデスクの立ち上げは、対応範囲を最初に線引きすることから始めるとスムーズに進む。
  • 運用フローは問い合わせの入口を一本化し、エスカレーション基準をあらかじめ決めておくことで対応の抜け・漏れを防げる。
  • 情シス担当が少人数の体制では、対応範囲の周知とセルフサービスツールの活用が負荷軽減の鍵になる。
  • 定型化しやすい業務は外部委託、機密性の高い業務は自社対応というように使い分けると効率的な体制を構築できる。
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社内ヘルプデスクの立ち上げで決めておくべき体制とは?

社内ヘルプデスクの立ち上げで決めておくべき体制とは?

社内ヘルプデスクの立ち上げは、いきなり全部門・全領域を対象にすると構築に時間がかかり、途中で頓挫しやすくなります。まずは検討すべき項目を整理し、無理のない範囲から体制を固めていくことが立ち上げを成功させるポイントです。

対応範囲を最初に線引きする

社内ヘルプデスクの立ち上げでは、まず自社の問い合わせ状況を把握することが出発点になります。問い合わせのチャネルや件数、対応にかかっている時間、担当者のスキルといった項目を整理しておくと、現状の課題が見えやすくなります。

最も問い合わせが多い部門やIT機器のカテゴリーから対象範囲を決めていくと、無理なく立ち上げを進めやすくなります。

対応するトラブルの範囲(パソコン・周辺機器、ネットワーク関連など)を大まかにカテゴリー分けして整理しておくと、対応範囲の線引きがしやすくなります。

対応レベル別に役割分担を決める

体制構築では、一次対応と二次対応で役割を分けることが重要な検討項目になります。専門分野ごとに担当を配置し、対応に必要なスキル要件を事前に定義しておくことで、対応の抜け・漏れを防ぎやすくなります。

ナレッジベースの導入や定期的な情報共有の場を設けることも、体制構築の一環として検討しておきたいポイントです。体制は一度決めたら終わりではなく、運用状況に応じて柔軟に見直す姿勢も欠かせません。

導入前にKPIを設定しておく

ヘルプデスクの立ち上げ前には、発注者となる経営層との合意を得ておくことも欠かせません。あわせて、問い合わせ対応時間の削減率やセルフサービスでの解決率など、測定可能な数値目標を決めておくと、導入後の効果を振り返りやすくなります。

次の項目は、立ち上げ前にあらかじめ決めておくことが一般的に推奨されるものです。

立ち上げ前に決めておきたい4つの項目

  • 経営層との合意形成
  • 既存の情シス部門との役割分担
  • 問い合わせチャネルの設計
  • 運用マニュアルの整備とKPIの設定

社内ヘルプデスクの運用フローをどう設計するか?

体制が固まったら、次に検討するのが日々の問い合わせにどう対応するかという運用フローの設計です。立ち上げの初期段階から運用フローを設計し、責任の所在を明確にしておくことで、後々の混乱を防げます。

問い合わせの入口を一本化する

複数の問い合わせ先や手段(メール・チャット・口頭・電話など)が併存すると、従業員がどこにどの手段で問い合わせるべきか迷いやすくなるといわれています。一元管理や進捗管理がしにくくなり、対応の抜け・漏れにつながりやすくなる点も見過ごせません。

そのため、問い合わせの入口を一本化することが運用フロー設計上の重要なポイントになります。既存の社内チャットツールへの問い合わせ集約は、入口の一本化を実現しやすい方法の一つです。

受付から回答までの対応フローを整理する

ヘルプデスクの基本的な対応フローは、問い合わせ受付から回答提供までの流れとして整理できます。要望を正確にヒアリングし、マニュアル化済みの内容ならそのまま対応し、複雑な場合は調査段階に進むという判断基準を決めておくことが大切です。

段階 内容
問い合わせ受付 要望を正確にヒアリングする
問題解決の検討 マニュアル化済みならそのまま対応、複雑なら調査段階へ進める
調査対応 自ら調べる、または詳しい担当者に調査を依頼する
回答提供 要点をかいつまんで的確に説明する

エスカレーションのルールをあらかじめ決めておく

一次対応で解決できない問い合わせは、業務システム・社内申請・ネットワークトラブルのようにケースを分けてエスカレーション先を定義しておく必要があります。どの問い合わせをどの部署へエスカレーションするかという判断基準は、関係部署とあらかじめ共有しておくことが求められます。

担当者に連絡が取れない場合の代替連絡先や、一定時間を超えて応答がない場合に連絡手段を切り替えるルールも決めておくと安心です。これらのルールは一度決めて終わりにせず、関係部署を交えて定期的に見直すことが推奨されています。

過去の対応をFAQとして蓄積する

過去の問い合わせ内容とその対応履歴を「よくある質問(FAQ)」やナレッジベースとして整理・蓄積しておくことも運用フローの一部です。従業員自身が自己解決できる仕組みが整い、同じ内容の問い合わせに毎回一から対応する手間も削減できます。返信テンプレートの作成とあわせて行うことで、対応の属人化回避と対応品質の向上にもつながります。

情シス担当が少人数でも社内ヘルプデスクを回す工夫とは?

情シス担当が少人数でも社内ヘルプデスクを回す工夫とは?

情シス担当が不在・兼任の中小企業では、限られた人数でヘルプデスク業務を回す工夫が欠かせません。ここでは、少人数体制でも負荷を抑えながら運用するための考え方を紹介します。

対応範囲を周知して問い合わせを絞り込む

社内ヘルプデスクの負荷を軽減するには、対応業務の範囲と対応時間を明確にしたうえで従業員に周知徹底することが重要です。範囲外の問い合わせについては、FAQへの参照案内や関連部署への誘導で対処する運用にしておくと、担当者への負荷集中を防げます。

セルフサービスツールで従業員の自己解決を促す

少人数・兼任体制の負荷軽減には、ツールを活用して従業員の自己解決を促し、問い合わせ自体の発生数を減らすアプローチが有効とされています。マニュアルを整備し、定期的な更新と参照文化の醸成を行うことも負荷軽減の鍵になります。

次のようなツールは、少人数体制での自己解決率向上に役立つ代表例です。

少人数体制での自己解決率向上に役立つ代表的なツール

  • FAQシステム
  • 社内チャットボット

定型業務を仕分けて外部の力を借りる

情シス業務の効率化にあたっては、システムで自動化すべき業務と人が対応すべき業務を仕分けることが有効です。一人だけ・兼任といった少人数の体制における負荷軽減策の一つとして、システム管理業務の一部を外部に委託するという選択肢もあります。新技術の情報収集やコア業務に充てる時間を確保できるようになった事例も報告されています。

外部委託が向く社内ヘルプデスク業務の見極め方は?

少人数体制での工夫だけでは対応しきれない場合、業務の一部または全部を外部委託するという選択肢が視野に入ります。ここでは、自社対応と外部委託をどのように見極めればよいかを整理します。

外部委託に向く定型化しやすい業務

パスワードリセットやPC初期設定といった、標準化しやすい定型業務は外部委託に向いています。

委託先選定では、自社で頻繁に発生する問い合わせやトラブルに近い実績を持つ委託先を選ぶことが重要とされています。問い合わせ内容や対応の報告を受けられる体制であるかどうかも、委託先を検討するうえで確認しておきたいポイントです。

 

自社対応を残すべき機密性の高い業務

管理者権限の付与や機密情報の取り扱い、経営判断を伴う業務は、社内で保持すべきとされています。

外部委託には、社内の情報漏えいリスクや、社内ノウハウの蓄積が止まるといったデメリットも指摘されているためです。初期導入や引き継ぎにコストと時間がかかる点も、委託範囲を検討する際に踏まえておきたい要素です。

 

一部の業務だけを外部に切り出す部分委託という方法

外部委託というと、業務のすべてを丸ごと任せるイメージを持たれがちですが、体制を柔軟に組み立てる方法もあります。例えば「PCやメールアカウントの手配だけを委託し、日々の運用は自社で行う」というように、自社の手が回らない業務だけを切り出して依頼することも可能です。

社内リソースとの分担を細かく設計できる点は、情シス担当が不在・兼任の中小企業にとって取り入れやすいポイントです。採用・育成コストをかけずに人員を確保できる点や、特定人物への業務集中を避けられる点も、部分委託を検討する理由になります。

観点 自社対応が向くケース 外部委託が向くケース
業務の性質 経営判断・機密情報を伴う業務 パスワードリセットなど定型化された業務
ノウハウ 社内に蓄積したいノウハウ 専門知識・実績が必要な対応
体制 一部だけ自社で担いたい業務 PCやメールアカウントの手配など切り出しやすい業務

社内ヘルプデスクの一部委託に活用できるCTSのITサポート&サービス

社内ヘルプデスクの業務を一部でも外部に切り出したい場合の選択肢として、CTS(シーティーエス株式会社)のITサポート&サービスがあります。中小企業向けに、貴社専用のITサポートセンターを開設する形でヘルプデスク業務を提供しており、PC10台以下であれば月額22,000円(税抜)から利用できます。

契約後は初期現場調査でIT資産とネットワーク環境を把握したうえでIT資産管理台帳を作成し、改善点のアドバイスを経てサポートセンターを開設する流れで導入が進みます。PCやメールアカウントの手配だけを委託し、日々の運用は自社で行うといった形で、自社の手が回らない業務だけを切り出して依頼することも可能です。

リモート対応が必要な場合も、起動のたびに使い捨てのパスワードが発行される仕組みのソフトウェアを使用しており、サポート側から無断で接続することはできません。サービス対応時間は平日9:00〜17:00で、東京都市圏を中心に対応しています。

自社の情シス体制のどこまでを自社で担い、どこから委託するかを検討する際の選択肢の一つとして、資料をあわせて確認してみてください。

CTSのITサポート&サービスの特徴
  • PC10台以下なら月額22,000円(税抜)から利用可能
  • 貴社専用のITサポートセンターを開設
  • PCやメールアカウントの手配だけを委託するなど部分委託にも対応
  • リモート対応時も使い捨てパスワード方式でセキュリティを確保
  • 対応時間は平日9:00〜17:00、東京都市圏を中心に対応
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よくある質問

社内ヘルプデスクの立ち上げ・運用に関して、よく寄せられる質問と回答をまとめました。

Q. 社内ヘルプデスクは何人くらいから立ち上げられますか?
A. 専任の部署を新設しなくても、兼任の担当者だけで立ち上げることは可能です。対応範囲を最初に絞り込み、問い合わせの入口を一本化しておけば、少人数でも運用を回しやすくなります。範囲を広げすぎず、まずは問い合わせの多い領域から始めることがポイントです。
Q. 社内ヘルプデスクの立ち上げにツール導入は必須ですか?
A. 必須ではありませんが、FAQシステムやチャットボットなどのセルフサービスツールを導入すると、少人数体制での負荷軽減につながりやすくなります。既存の社内チャットツールに問い合わせ窓口を集約するだけでも、入口の一本化という効果が得られます。予算や体制に応じて、段階的にツールを取り入れる進め方でも問題ありません。
Q. 運用開始後にエスカレーションのルールを変更してもよいですか?
A. 問題ありません。エスカレーションのルールは一度決めて終わりではなく、実際の運用状況を踏まえて関係部署を交えて定期的に見直すことが推奨されています。当初想定していなかった問い合わせパターンが増えてきた場合は、判断基準やエスカレーション先を柔軟に更新していくことが大切です。
Q. 社内ヘルプデスクを外部委託する場合、費用相場はどのくらいですか?
A. 委託する業務範囲や対応時間帯によって幅がありますが、一次対応中心の基本的なプランであれば月額5万円程度から、技術対応や総合窓口まで含める場合は月額10万〜35万円程度が一般的な目安とされています。定型化しやすい業務から委託範囲を絞り込むと、コストを抑えやすくなります。


まとめ

社内ヘルプデスクの立ち上げは、対応範囲を最初に線引きし、対応レベル別の役割分担とKPIを決めておくことから始まります。運用フローの設計では、問い合わせの入口を一本化し、受付から回答までの流れとエスカレーションのルールを整理したうえで、対応履歴をFAQとして蓄積していく仕組みづくりが重要です。情シス担当が少人数・兼任の場合は、対応範囲の周知とセルフサービスツールの活用によって問い合わせ自体を減らす工夫が負荷軽減につながります。

それでも対応しきれない部分については、定型化しやすい業務から外部委託を検討し、機密性の高い業務は自社に残すという使い分けが現実的です。すべてを一度に委託するのではなく、PCやメールアカウントの手配など一部の業務だけを切り出す部分委託という選択肢もあります。

自社の問い合わせ状況や体制を振り返りながら、無理のない範囲で社内ヘルプデスクの立ち上げ・運用を進めてみてください。

この記事のまとめ

  • 社内ヘルプデスクの立ち上げは対応範囲の線引きから始める。
  • 運用フローは入口の一本化とエスカレーションルールの整備で回しやすくなる。
  • 少人数体制では対応範囲の周知とセルフサービスツールで負荷を軽減する。
  • 定型業務は外部委託、機密性の高い業務は自社対応という使い分けを検討する。
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情シス効率化とは?業務が非効率になる原因と負荷を軽減する具体策

情シス効率化とは?業務が非効率になる原因と負荷を軽減する具体策

情シス担当者の多くは、システムの企画や改善に充てたい時間を、日々の問い合わせ対応に取られていると感じています。原因を放置したまま人員やツールを増やしても、業務は思うように整理されません。

効率化を進めるには、属人化・ナレッジ未整備・問い合わせ対応への時間偏重といった要因を切り分けたうえで、ナレッジ化・ツール活用・外部委託をどう使い分けるかを検討する必要があります。自社の業務のどこにボトルネックがあるかを把握してから対策を選ぶことで、効率化の効果を実感しやすくなります。

この記事でわかること
  • 情シス業務が非効率になる背景には、属人化・ナレッジ未整備・問い合わせ対応への時間偏重という三つの要因が重なっている。
  • FAQ整備や対応フローの標準化、自動化ツールの導入によって、問い合わせ対応の多くを情シス担当者以外でも処理できる状態に近づけられる。
  • 問い合わせ対応の一次受付を外部委託すると、情シス担当者の時間をシステム企画などのコア業務へ再配分しやすくなる。
  • 効率化を進める際は、現状業務の棚卸しと優先順位付けを先に行い、情シスが担うべきではない業務から移管を検討する。
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情シス業務の効率化を妨げる原因は何か?

情シス効率化とは?業務が非効率になる原因と負荷を軽減する具体策

情シス業務が非効率になる背景には、特定の要因が単独で存在するのではなく、複数の要因が絡み合っているケースが多く見られます。代表的な要因として、業務の属人化、ナレッジの未整備、問い合わせ対応への時間の偏りが挙げられます。

特定の担当者に業務が偏る属人化のリスク

中小企業の情シス部門では、専任担当者が1名または少人数にとどまるケースが少なくありません。ある調査では、中小企業の情シス部門で専任担当者が「0名(専任なし)」の企業も一定数存在することが報告されています。

専任担当者が少ない体制では、システムの構成やトラブル対応のノウハウが特定の個人の頭の中にしか残らず、その担当者が不在になった途端に業務が止まってしまうリスクを抱えます。

加えて、情シスが総務部門などの下位組織に位置づけられている場合、本来は他部署が担うべき業務まで持ち込まれやすく、負荷の実態が経営層に認識されないまま属人化が進む傾向もあります。本来であれば複数人で分担すべき業務量が1人に集中している状態は、属人化の結果であると同時に、次の非効率を招く原因にもなります。


業務ノウハウの文書化が進んでいないことによる非効率

トラブル対応やユーザーサポートに日々追われていると、システムの仕様や運用手順を文書としてまとめる時間を確保しにくくなります。結果として、同じ種類のトラブルが起きるたびに、対応方法を担当者の記憶や過去のメールから探し直す状況が繰り返されます。この状態が続くと、新しく着任した担当者への引き継ぎにも時間がかかり、組織全体の対応スピードが落ちていきます。

属人化を防ぐには、担当者個人の記憶に頼らず、業務内容を誰もが参照できる形で残しておく仕組みが欠かせません。

問い合わせ対応に時間を取られてコア業務が進まない実態

情シス業務のうち、実際にどの業務に最も時間を使っているかを尋ねた調査では、「問い合わせや障害対応」が最多の回答となりました。同じ調査では、情シス担当者の約7割が人材不足を感じ、約7割がストレスを、約6割が忙しさを感じていると回答しています。別の調査でも、情シス担当者の9割以上が業務外の問い合わせを受けた経験があると回答しており、そのうち多くが実際に対応していると答えています。

情シス担当者を対象にした調査結果の抜粋

調査項目 回答結果 調査対象
最も時間を使っている業務 「問い合わせや障害対応」54.7% 情シス担当者203名
人材不足を感じている 72.9% 情シス担当者203名
業務外の問い合わせを受けた経験がある 95%(うち77%が実際に対応) 情シス担当者91名


問い合わせや障害対応は必要な業務ですが、突発的な割り込み対応が増えると、コア業務(システム企画や改善)が後回しになります。

参照:中小企業の情シス業務に関する実態調査(株式会社バッファロー、2024年9月)/情シス担当者の業務実態調査(OrangeOne株式会社、2023年7月)/情シス担当者への社内問い合わせに関する調査(INTERNET Watch、2023年4月)

情シス業務を効率化する具体的な手法とは?

非効率の要因が属人化・ナレッジ未整備・問い合わせ対応への時間偏重にあるとすれば、効率化の打ち手もこの三つに対応させて考えると整理しやすくなります。次に紹介する手法は、いずれも「問い合わせを担当者以外でも処理できる状態に近づける」という共通の狙いを持っています。

情シス業務を効率化する3つの手法

  • 社内FAQを整備し、社員が自己解決できる仕組みをつくる
  • 対応フローを標準化し、複数人で業務を分担しやすくする
  • 自動化ツール(チャットボット・RPAなど)で定型業務を仕組み化する

社内FAQを整備して社員がトラブルを自己解決できるようにする

社員がPCトラブルに直面したとき、まず自分で解決策を探せる仕組みがあれば、情シスへの問い合わせ件数そのものを減らせます。具体的には、よくあるトラブルの対処法やシステムの利用手順を社内ポータルなどにFAQとしてまとめておく方法があります。ポータルは単に情報を置くだけでなく、目的の情報にすぐたどり着けるよう検索性や見出しの分かりやすさを工夫することが重要です。

対応フローを標準化して業務を分担しやすくする

問い合わせを受けてから解決に至るまでの流れが担当者ごとにばらばらだと、他の担当者や外部への引き継ぎが難しくなります。受付から一次切り分け、エスカレーション先の判断までを定型の手順として決めておくと、対応品質を保ちながら業務を複数人で分担できるようになります。手順が明文化されていれば、繁忙期に一時的な応援を頼む場合でも、対応の質を大きく落とさずに済みます。

自動化ツールを導入して定型業務を仕組み化する

パスワードのリセットや定型的な設定変更のように、手順が決まっている業務は自動化ツールとの相性が良い領域です。チャットボットで一次対応を仕組み化したり、RPAで繰り返し発生する設定作業を自動処理したりすることで、担当者が同じ作業を都度手作業で行う必要がなくなります。自動化できる業務を仕組みに置き換えるほど、特定の担当者しか対応できない状態からも抜け出しやすくなります。

これらの手法はどれか一つだけを導入すれば十分というものではなく、業務の性質に応じて組み合わせることで効果が積み上がっていきます。

情シス効率化を進める際に気をつけたいポイントは?

効率化の手法を並べる前に、まず自社の業務のどこにボトルネックがあるのかを把握しておく必要があります。

効率化に着手する前に押さえたいポイント

  • 現状の業務を棚卸しし、頻度・時間・重要度から優先順位をつける
  • 情シスが担うべきではない業務を洗い出し、他部署への移管を検討する

現状の業務を棚卸しして優先順位をつける

効率化の第一歩は、誰がどの業務をどのくらいの頻度と時間で行っているかをリスト化することです。業務フローを図に起こしてボトルネックを可視化し、重要度と緊急度で分類すると、着手すべき順番が見えてきます。

すべての業務を一度に見直そうとすると作業が止まりやすいため、影響の大きい業務から段階的に手をつける進め方が現実的です。棚卸しの結果を担当者間で共有しておけば、優先順位の判断基準を後から見直す際にも役立ちます。

棚卸しは一度きりの作業ではなく、業務内容や体制が変わるたびに見直す前提で運用すると、優先順位のずれを早めに修正できます。

情シスが担うべきではない業務の移管を判断する

棚卸しの過程では、「この業務は本当に情シスが行うべきものか」という視点を持つことが重要です。優先度が低い業務や、本来は他部署が担うべき業務を洗い出し、思い切って他部署へ移管する判断も効率化には欠かせません。やらない業務を明確にすることで、情シスが本来取り組むべき業務にリソースを集中させやすくなります。


問い合わせ対応の一次受付を外部委託して情シスの業務負荷を軽減する

問い合わせ対応の一次受付を外部委託して情シスの業務負荷を軽減する

社内でのナレッジ化やツール活用に加えて、問い合わせ対応そのものを外部に切り出す選択肢もあります。社内で解決しきれない一次対応の量が多い場合は、外部の専門窓口に任せることで負荷を軽減しやすくなります。

一次受付の外部化で生じた時間をコア業務へ再配分

パスワード忘れやPCの起動不良、ネットワークの遅延といった一次対応は、発生するタイミングを予測しづらいという特徴があります。こうした一次受付を外部の窓口に任せることで、情シス担当者が突発的な対応に割く時間を減らせます。

実際に問い合わせ窓口の受付を外部委託した事例でも、トラブル対応に奪われていた時間が減り、業務効率化につながったという成果が報告されています。ひとり情シスの体制では、こうしたノンコア業務の増加がコア業務の遅れに直結しやすいため、外部化による負荷軽減の効果を実感しやすい傾向があります。

生まれた時間は、システム導入の検討やセキュリティ強化といった、情シス本来のコア業務に回せるようになります。

中小企業のIT資産管理を代行するCTSの基本パッケージ

シーティーエス株式会社(CTS)の「ITサポート&サービス」は、情シス担当者が不在または兼任の中小企業に向けて、パソコン・サーバー・ネットワークなどのIT資産管理を代行するサービスです。基本パッケージでは、現場調査からIT資産管理台帳の作成、改善点のアドバイスを経て、貴社専用のITサポートセンターを開設します。開設後は、電話やメールによる問い合わせの一次受付を含めたトラブル対応を任せられるため、社内で一次対応に追われていた時間を減らせます。

CTS「ITサポート&サービス」基本パッケージの概要

項目 内容
導入の流れ 初期現場調査→IT資産管理台帳作成→改善点のアドバイス→ITサポートセンター開設
対応時間 平日9:00〜17:00
月額費用の目安 PC10台以下の場合、月額22,000円(税抜)〜

なお、対応時間は平日9:00〜17:00であり、夜間や休日の対応は含まれていない点にはご留意ください。

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よくある質問

情シス効率化に関して情シス担当者からよく寄せられる質問と回答をまとめました。

Q. 情シスの業務を効率化すると、どのようなメリットがありますか?
A. 問い合わせ対応に費やしていた時間を減らせることで、システムの企画や改善、セキュリティ強化といった情シス本来のコア業務に時間を充てやすくなります。業務内容をナレッジとして残しておけば、担当者の異動や退職があっても対応品質を維持しやすくなる点もメリットです。
Q. ひとり情シスでも問い合わせ対応の負荷を減らせますか?
A. 担当者が1名でも、FAQの整備や対応フローの標準化である程度の負荷軽減は可能です。ただし一次受付そのものを外部の窓口に任せれば、担当者が突発的な問い合わせに割く時間をさらに減らせます。
Q. 効率化のためにツール導入と外部委託のどちらを優先すべきですか?
A. どちらか一方を選ぶ必要はなく、業務の性質によって使い分けるのが基本です。定型的な設定作業はツールによる自動化と相性がよく、予測しづらいタイミングで発生する一次対応は外部委託との相性がよい傾向があります。自社の問い合わせ内容を分類し、どちらのパターンが多いかを確認したうえで優先順位を決めるとよいでしょう。
Q. 外部委託の対応時間はどのように確認すればよいですか?
A. 委託先によって対応時間の範囲は異なるため、契約前に必ず確認します。CTSのITサポート&サービスの場合、対応時間は平日9:00〜17:00であり、夜間や休日の対応は含まれていません。

まとめ

情シス業務が非効率になる背景には、属人化・ナレッジ未整備・問い合わせ対応への時間偏重という要因が重なっています。この三つの要因に対して、FAQ整備や対応フローの標準化、自動化ツールの導入といった手法を組み合わせることで、担当者以外でも対応できる業務を増やせます。

それでも解消しきれない問い合わせの一次受付については、外部委託によって切り出すという選択肢もあります。社内での改善と外部委託は対立する選択肢ではなく、業務の性質に応じて組み合わせて使えるものです。

まずは自社の業務を棚卸しし、どこにボトルネックがあるのかを把握したうえで、社内での改善と外部委託を使い分けていくことが効率化への近道です。

 

この記事のまとめ

  • 情シス業務の非効率は属人化・ナレッジ未整備・問い合わせ対応への時間偏重が重なって生じる。
  • FAQ整備・対応フローの標準化・自動化ツールの導入を組み合わせて社内で対応できる範囲を広げる。
  • 問い合わせ対応の一次受付は外部委託でも切り出せる選択肢であることを把握しておく。
  • 効率化に着手する前に、まず現状業務を棚卸しして優先順位をつける。
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情シス担当が不在・兼任の企業が直面する課題と解決策

情シス担当が不在・兼任の企業が直面する課題と解決策

情シス担当者が社内にいない、あるいは他の業務と兼任している中小企業では、日々の問い合わせ対応や社内システムの管理に追われてしまいます。その結果、本来のコア業務に十分な時間を割けないという課題が生じやすくなります。

自社に合った対処法を選ぶには、情シス不在・兼任の企業に共通する課題と、その背景にある実態を踏まえたうえで、課題を放置した場合のリスクも見据えておく必要があります。そのうえで、社内体制の整備と外部委託という2つのアプローチをどう組み合わせるかを検討することが重要です。

この記事でわかること
  • 情シス担当の不在・兼任は、問い合わせ対応の集中と業務の属人化を招きやすい
  • 中小企業の多くがひとり情シスの状態にあり、外部委託を実施済みの企業も多い
  • 課題を放置すると、セキュリティ対応の遅れや業務停止のリスクが高まる
  • 課題解決には、社内体制の整備を基本としつつ必要な業務だけを外部委託する方法がある
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情シス担当が不在・兼任の企業に起こる典型的な課題とは?

情シス担当が不在・兼任の企業が直面する課題と解決策

情シス担当者が専任でいない企業では、日々の業務の中でいくつかの共通した課題が表面化します。まず典型的な3つの課題を確認します。

情シス担当が不在・兼任の企業に起こりやすい3つの課題

  • 問い合わせの集中:パソコンやネットワークのトラブル対応が特定の担当者に集中する
  • 業務の属人化:設定変更やトラブル対応の手順が担当者個人にしか分からない
  • コア業務の圧迫:兼任担当者は本来の業務時間を削って対応にあたる

問い合わせ対応が情シス担当者1人に集中する

専任の情シス担当者がいない、またはひとりしかいない企業では、パソコンの不調やネットワークトラブルの問い合わせがすべて特定の担当者に集まります。

問い合わせが1人に集中する状態は、平常時のコア業務圧迫と、緊急時のトラブル対応の遅れという2つのリスクの温床になります。

結果として、緊急性の低い問い合わせへの対応にも時間を取られ、他の業務が後回しになりがちです。

IT業務の属人化で引き継ぎが困難になる

設定変更やトラブル対応の手順が担当者個人の頭の中にしかない状態は、多くの情シス不在・兼任企業に共通する課題です。中小企業の情報システム担当者を対象にした調査でも、業務の属人化を課題に挙げる回答が29.7%にのぼります。

属人化した業務は、担当者が休職・退職した際に一気に表面化し、引き継ぎの難航につながります。

情シス業務がコア業務の時間を圧迫する

他部署の業務と情シス業務を兼任している担当者は、本来の業務時間を削って対応にあたることになります。中小企業の約65%が、専任の情報システム担当者を置かず「各自で対応」または「他業務との兼任」で情シス業務を回しているという調査結果もあります。

兼任状態が続くと、情シス業務・本業のどちらも中途半端になる恐れがあります。

参照:情シス業務の外部委託に関する実態調査(株式会社バッファロー、2024年7月)/セキュアSAMBA利用実態調査(株式会社kubell、2026年2月)

中小企業で情シス担当者が不在になりやすい背景とは?

情シス担当が不在・兼任の企業が直面する課題と解決策

情シス担当が不在・兼任になりやすいのは、個々の企業の事情だけでなく、中小企業全体に共通する構造的な背景があります。

従業員100名以下企業の88%を占めるひとり情シスの実態

2024年時点の調査によると、従業員100名以下の中小企業の88%が、情シス要員1人以下の「ひとり情シス」の状態にあります。従業員100〜1,000名の中堅企業でも38%が同様の状態です。

コロナ禍以降、特に従業員100名以下の企業で「一人目のひとり情シス」の任命が増えている傾向も指摘されています。

7割の企業が実施済みの情シス業務の外部委託

情シス業務の外部委託は、すでに多くの企業が取り入れている選択肢です。ある調査では、情シス業務の全部または一部を外部委託している企業が70.3%(全て委託24.4%、一部委託45.9%)にのぼります。

一方で外部委託先に対しては、費用の高さや業者選定の難しさを課題視する声も一定数あります。

増員意向はあっても進まない情シス担当者の採用

ひとり情シスの状態にある企業の多くは、担当者を増やしたいという意向自体は持っています。ある調査では、ひとり情シス企業の58%が増員意向を示す一方、給与面やスキルのミスマッチによって採用が難航している実態も報告されています。

採用による増員が難しい以上、社内体制の見直しや外部委託の活用を並行して検討する企業が増えています。

情シス担当の実態に関する主な調査データ
調査項目 数値 調査時点
従業員100名以下企業のひとり情シス比率 88% 2024年度
情シス業務を外部委託済みの企業の比率 70.3% 2024年7月
専任担当者を置かず各自対応・兼任している企業の比率 約65% 2026年2月

参照:中小企業IT投資動向調査・ひとり情シス実態調査(一般社団法人ひとり情シス協会、2024年度)/情シス業務の外部委託に関する実態調査(株式会社バッファロー、2024年7月)/ひとり情シス実態調査(ひとり情シス協会、2021年12月)

情シスの課題を放置するとどのようなリスクが生じる?

典型的な課題を解決しないまま放置すると、業務効率の低下だけでなく経営に直結するリスクにつながります。

情シスの課題を放置した場合に生じやすい3つのリスク

  • セキュリティ対応の遅れ:サイバー被害の発生や復旧期間の長期化を招く
  • 属人化した業務の停止:担当者が不在になった瞬間に業務が止まる
  • 担当者の退職・休職:ITインフラの機能低下や、退職時の後任採用の難航を招く

セキュリティ対応の遅れがサイバー被害を招くリスク

専任担当者が不在の企業では、セキュリティ対策の導入や見直しが後回しになりがちです。IPAの調査によると、サイバーインシデントが発生した中小企業の被害額は平均73万円(最大1億円)、復旧までの期間は平均5.8日(最大360日)にのぼります。

情報セキュリティ対策の専門部署(専任担当者)を設置している中小企業は9.3%にとどまる一方、「組織的には行っていない(各自の対応)」と回答した企業は69.7%(2021年度調査から14.0ポイント増)にのぼります。

属人化した業務が停止するリスク

設定手順やアカウント情報が担当者個人にしか分からない状態では、その担当者が不在になった瞬間に業務が止まります。問い合わせ対応やサーバー管理など、日常的に発生する業務ほど停止の影響が大きくなります。

属人化を解消するには、業務手順の文書化や複数人での分担が有効ですが、情シス不在・兼任の企業ではその時間自体を確保しにくいという構造的な問題があります。

担当者の退職・休職でIT管理が機能不全に陥るリスク

ひとり情シスの担当者が退職すると、ITインフラの機能低下や後任採用の難航という経営リスクが生じます。休職の場合も、担当者が長期間不在になることで同様にITインフラの管理が滞るおそれがあります。

特に後任の採用は前述のとおり難航しやすく、機能不全の状態が長期化する企業も少なくありません。

参照:2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査(IPA、ITmedia @IT報道)

情シスの課題を解決する具体的な方法とは?

情シスの課題を解決する方法は、社内での体制整備と外部委託の大きく2つに分けられます。それぞれの特徴を踏まえ、自社に合う方法を選ぶことが重要です。

社内にシステム担当者を配置し情シス体制を整備する

社内で専任の情シス担当者を新たに配置する方法は、自社の業務やシステムに詳しい人材が育つという利点があります。一方で、情報セキュリティ担当者を1人雇用する場合、給与だけでも月30万円台〜50万円程度かかり、社会保険料や採用・教育費まで含めるとさらに負担が大きくなります。

前述のとおり、増員意向があっても採用が難航しやすい点も踏まえて検討する必要があります。

外部委託でシステム管理部門を専門会社に任せる

外部委託は、専門会社にIT資産管理やトラブル対応を任せることで、採用や育成の手間をかけずに体制を整えられる方法です。外部委託の運用維持コストの目安は月数万〜10万円程度からとされています。

社内雇用のコスト目安と比較すると、外部委託のほうが小さな負担で始めやすい傾向があります。

部分的な外部委託で自社の負担を軽減する

外部委託は、業務のすべてを任せる方法だけでなく、一部の業務だけを切り出して委託する方法もあります。実際に、情シス業務の外部委託を行っている企業の内訳を見ると、一部委託が45.9%と、全て委託の24.4%を上回っています。

例えば、PCやメールアカウント等の手配だけを委託し、日々の運用は自社で行うといった使い分けも可能です。

社内整備と外部委託の比較
比較項目 社内で担当者を配置 外部委託
コストの目安 月30万円台〜50万円程度(給与のみ・担当者1人雇用の場合) 月数万〜10万円程度〜(運用維持コストの目安)
立ち上げまでの期間 採用・育成に時間がかかる 契約後、比較的早く体制を整えやすい
委託範囲の調整 担当者の業務範囲を自社で決める 基本パッケージ+必要な業務だけの部分委託も可能

参照:情シス業務の外部委託に関する実態調査(株式会社バッファロー、2024年7月)

情シス不在の課題をCTSの「ITサポート&サービス」で解決する

ここまでの課題や選択肢を踏まえ、外部委託の具体的な内容としてシーティーエス株式会社(CTS)の「ITサポート&サービス」を紹介します。お客様のパソコン・サーバー・ネットワークなどのIT資産を代行して管理する、システム管理部門アウトソーシングです。

基本パッケージで社内のIT資産管理を代行する

基本パッケージは、初期現場調査、IT資産管理台帳作成、調査結果・改善点のアドバイス、ITサポートセンター開設の順に導入します。

基本パッケージの月額費用は、PC10台以下の場合で22,000円(税抜)からです。

「社内にITシステムの管理をできる者がいない」「管理を任され本来の仕事に支障が出て困っている」といった悩みから相談を受け付けています。

運用代行プランでサーバー・クラウドの日常管理を任せる

基本パッケージに加えて、NASやWindows Server、メールサーバー、クラウドサービスなどの日常的な運用を任せられる運用代行プランがあります。ユーザー設定やアクセス権限設定、バックアップ設定の変更といった、属人化しやすい運用業務をまとめて委託できます。

オプションプランで障害復旧やセキュリティ設定に対応する

障害復旧、ネットワーク構築、サーバーのリプレイス、セキュリティ設定など、突発的に発生する業務はオプションプランで対応します。リモート対応には起動のたびにワンタイムパスワードが生成される「TeamViewer」を採用しており、通信は常に暗号化されています。

なお、サービス対応時間は平日9:00〜17:00で、対応エリアは東京都市圏を中心とした公共交通機関で約1時間以内の範囲です。

CTSの「ITサポート&サービス」の特徴
  • PC10台以下なら月額22,000円(税抜)から利用可能
  • 初期現場調査からIT資産管理台帳作成まで基本パッケージで対応
  • 運用代行プランでサーバー・クラウドの日常管理も委託可能
  • オプションプランで障害復旧やセキュリティ設定にも対応
  • リモート対応はワンタイムパスワード方式で通信を常に暗号化
資料DLはこちらから

よくある質問

情シス担当が不在・兼任の企業からよく寄せられる質問と回答をまとめました。

Q. 情シスの課題を相談できる窓口が社内に無い場合はどうすればよいですか?
A. 社内に相談できる担当者がいない場合は、システム管理部門をアウトソーシングできる外部の専門会社に相談する方法があります。CTSの「ITサポート&サービス」のように、初期調査から改善アドバイスまでを含むサービスであれば、現状の課題を洗い出すところから依頼できます。
Q. 外部委託を導入すると、今いる情シス担当者の仕事は無くなりますか?
A. いいえ、外部委託は既存の担当者の仕事を丸ごと代替するものではありません。基本パッケージやオプションプランを使って定型的な業務や専門知識が必要な業務だけを任せれば、担当者は問い合わせ対応の集中や属人化した業務から解放され、コア業務に時間を割きやすくなります。社内に担当者を残したまま、負担の大きい部分だけを外部委託する運用も可能です。
Q. 社内にITに詳しい人がいなくても外部委託はできますか?
A. 対応できます。CTSの「ITサポート&サービス」は、初期現場調査でIT資産の状態を把握したうえで管理を代行するため、社内にITの知識を持つ担当者がいない状態からでも導入できます。
Q. 情シスの課題はどれから優先して解決すればよいですか?
A. まずは、問い合わせ対応の集中や業務の属人化など、日常業務にすでに支障が出ている課題から優先して対処することをおすすめします。放置期間が長いほどセキュリティ対応の遅れや退職・休職時の機能不全につながりやすいため、早い段階での対処が重要です。

まとめ

情シス担当が不在・兼任の企業では、問い合わせ対応の集中、業務の属人化、コア業務の圧迫といった課題が生じやすくなります。背景には、中小企業の多くがひとり情シスの状態にあり、担当者を増やしたくても採用が難航しやすいという構造的な事情があります。

これらの課題を放置すると、セキュリティ対応の遅れや業務停止、担当者の退職・休職時の機能不全といったリスクにつながります。解決の方法は、社内での体制整備を基本としながら、必要な業務だけを外部委託と組み合わせることです。

自社のリソースと課題の緊急度を照らし合わせ、無理のない体制づくりから着手することをおすすめします。

この記事のまとめ

  • 情シス不在・兼任企業では問い合わせ対応の集中と業務の属人化が典型的な課題になる
  • 中小企業の多くがひとり情シスの状態にあり、外部委託を実施済みの企業も多い
  • 課題の放置はセキュリティ対応の遅れや業務停止のリスクにつながる
  • 自社の課題を整理したうえで、社内整備と部分的な外部委託の組み合わせを検討する
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ヘルプデスクとは?中小企業に必要とされる理由と外部委託の選び方


ヘルプデスクとは?中小企業に必要とされる理由と外部委託の選び方

ヘルプデスクとは、従業員や顧客から寄せられるIT関連の問い合わせやトラブルに、電話・メール・チャットなどを通じて対応する仕事や部門のことです。パソコンが動かない、システムの使い方が分からないといった日々の困りごとを一次受付し、解決まで導く役割を担います。

情シス担当者が不在、または兼任している中小企業では、問い合わせの受け皿が定まらず、特定の社員に負担が偏りがちです。自社に合った体制を整えるには、ヘルプデスクの役割や業務内容を正しく理解したうえで、社内運用と外部委託のどちらを選ぶかを検討する必要があります。

この記事でわかること
  • ヘルプデスクは従業員のIT問い合わせを一次対応する窓口であり、基盤の導入・管理を担う社内SEとは役割が異なる。
  • 従業員10〜29名の企業では約半数がシステム担当者不在であり、規模が小さいほどIT問い合わせの受け皿が定まりにくい。
  • 社内でヘルプデスクを運用すると、対応の属人化や特定担当者への負荷集中が課題になりやすい。
  • 外部委託を活用すれば、専任オペレーターによる対応品質の安定化と柔軟な体制構築を両立できる。

ヘルプデスクとは何か


ヘルプデスクとは何か

まずはヘルプデスクという言葉の意味と、混同されやすい「社内SE」との役割の違いを整理します。あわせて、対応する相手によって分かれる社内ヘルプデスクと社外ヘルプデスクの違いも確認していきます。

ヘルプデスクの定義

ヘルプデスクとは、ユーザーがITシステムやアプリケーションの利用で困った際に対応する一次対応窓口のことです。問い合わせ対応、パソコンの初期設定、基本的なトラブル解決、FAQの作成などを幅広く担う機能を指します。

対応対象によって、従業員向けに社内で運用される「社内ヘルプデスク」と、自社製品・サービスの利用者に向けた「社外ヘルプデスク」に大別されます。本記事で主に取り上げるのは、中小企業の従業員がIT機器やシステムを使ううえでのトラブルを解決する社内ヘルプデスクです。

社内ヘルプデスクと社外ヘルプデスクの違い

社内ヘルプデスクと社外ヘルプデスクは、対応する相手だけでなく求められるスキルにも違いがあります。社内ヘルプデスクは従業員を対象に、社内制度への理解とIT知識を軸にシステムの使い方説明や障害対応を行います。一方、社外ヘルプデスクは自社製品を利用する顧客を対象に、製品知識に加えて接客スキルやクレーム対応力が求められる点が特徴です。

両者の違いを一覧にすると、次のように整理できます。

項目 社内ヘルプデスク 社外ヘルプデスク
対象 自社の従業員 自社製品・サービスの顧客
必要スキル 社内制度の理解、IT知識全般 製品知識、接客スキル
特徴 IT機器・システム全般に幅広く対応 クレーム対応を含む場合がある

ヘルプデスクと社内SEの役割の違い

ヘルプデスクとしばしば混同される役職に「社内SE」があります。社内SEは、自社利用のITインフラ全体の設計・管理・保守(システム開発・運用、インフラ構築、セキュリティ対策など)を担う職種で、対象は主に社内です。これに対しヘルプデスクは、導入済みのIT環境を実際に使う中で生じる日々のトラブル解決、いわば現場対応(フロントエンド)を主な業務とする点が異なります。

両者は業務範囲が重なる場面もありますが、基盤を作る役割と、その基盤を使う人を支える役割という違いを押さえておくと、自社に必要な体制を検討しやすくなります。

中小企業でヘルプデスクが必要とされる理由とは?

ヘルプデスクの役割を踏まえたうえで、なぜ中小企業においてこの機能の有無が特に問題になりやすいのかを見ていきます。背景にあるのは、情シス担当者を専任で置けない企業の多さです。

中小企業でヘルプデスクが必要とされる背景

  • 企業規模が小さいほど、専任のシステム担当者を配置しにくい
  • 担当者不在の場合、ITに詳しい特定の社員へ問い合わせが集中しやすい
  • 問い合わせ窓口を設けることで、従業員がITトラブルを相談できる環境を整えられる

情シス担当者が不在・兼任の中小企業が多い実態

従業員10〜299名の企業1,093社を対象にした2025年11月の調査では、「システム担当者はいない(社外・兼務もいない)」と回答した企業が全体で27.5%にのぼりました。従業員規模別に見ると、10〜29名の企業では48.2%、100〜299名の企業では13.2%と、企業規模が小さいほどシステム担当者不在率が高くなる傾向が示されています。

別の調査でも、年商5〜50億円の企業層で専任のIT担当者が減り、他業務と兼任する「ひとり情シス」が直近2年で増加していることが確認されています。企業規模が小さいほど、日々のIT問い合わせを受け止める専任の窓口を確保しにくいという実情がうかがえます。

情シス不在の企業で起きやすいIT問い合わせ対応の混乱

専任担当者がいない企業では、日々発生するIT関連の問い合わせに対する一次対応者が定まりません。パソコンの不調やシステムの操作方法といった困りごとが起きるたびに、従業員は自己解決を迫られるか、たまたま詳しい社員に頼らざるを得なくなります。

この状態が続くと、IT機器に詳しい特定の社員へ問い合わせが集中し、その社員の本来の業務を圧迫してしまいます。社内ヘルプデスクという窓口を設けることは、IT機器や業務システムに詳しくない従業員でも安心して業務に臨める環境づくりにつながります。

ヘルプデスク業務の具体的な内容とは?

ヘルプデスクが実際にどのような業務を担うのかを、具体的な作業単位で見ていきます。問い合わせ対応から日々のバックオフィス業務まで、幅広い作業が含まれています。

業務 主な内容
問い合わせ対応 電話・メール・チャットなどによるIT関連の問い合わせ対応
トラブル対応 不具合の原因を切り分け、必要に応じて技術部門へエスカレーション
アカウント管理 ID発行やパスワードリセットなどの対応
ナレッジ整備 問い合わせ履歴をFAQとして整理し、自己解決できる環境を整備

電話やメールでの問い合わせ対応

ヘルプデスク業務の中心となるのが、電話・メール・チャットなどのチャネルを通じた問い合わせ対応です。社員や顧客から寄せられるシステムトラブル、パソコンの操作方法、ネットワーク障害といった技術的な相談への回答が主業務となります。

パソコンやプリンターの設定、ソフトウェアのインストールといった基本的なサポートも、問い合わせ対応の一環に含まれます。

技術的なトラブルの原因切り分け

パソコンやソフトウェアの不具合が発生した際には、原因の切り分け(トラブルシューティング)を行い、自部門で解決できない場合は技術部門へエスカレーションするかどうかを判断します。IT資産管理やシステムの更新も、この切り分け作業と合わせて担当することが多い業務です。

IDやパスワードのアカウント管理

問い合わせ対応と並んで重要なのが、IDの発行やパスワードリセットといったアカウント管理業務です。従業員がシステムにログインできないといったトラブルは日常的に発生するため、迅速な対応が求められます。

FAQ化によるナレッジ整備

過去の問い合わせ内容とその対応履歴を「よくある質問(FAQ)」として整理し、従業員に公開する「ナレッジ整備」も欠かせない業務です。ナレッジを蓄積しておくことで、従業員自身が抱える問題を自己解決できる仕組みが整い、同じ内容の問い合わせに毎回一から対応する手間も減らせます。

社内でヘルプデスクを運用する場合の課題とは?


社内でヘルプデスクを運用する場合の課題とは?

ヘルプデスクの必要性は理解できても、実際に社内だけで運用しようとすると、いくつかの共通した課題に直面します。ここでは代表的な3つの課題を取り上げます。

社内運用で起こりやすい3つの課題

  • コア業務の時間不足:問い合わせ対応に時間を取られる
  • 対応の属人化:特定の担当者しか対応できない状態になる
  • 負荷の集中:IT関連の質問やトラブル対応が一部の社員に偏る

コア業務に充てる時間の不足

専任の担当者を置かずにヘルプデスク業務を兼任させると、日々の問い合わせ対応に追われ、本来注力すべきシステム開発・運用・セキュリティ対策といったコア業務に十分な時間を割けなくなります。問い合わせ対応に時間を取られるほど、企業のIT基盤そのものを強化する業務が後回しになりやすい点に注意が必要です。

対応の属人化

ヘルプデスク業務は専門知識が必要な場面が多く、対応できる担当者が限定されやすい性質を持っています。特定の担当者しか対応できない問い合わせが積み重なると、回答や復旧作業が遅れるだけでなく、その担当者が不在・休職・退職した場合に対応が完全に滞ってしまうリスクもあります。

特定担当者への負荷集中

問い合わせ先の周知が不十分だと、IT関連以外の質問まで担当者に寄せられ、優先度の高い案件の対応が遅延することもあります。加えて、日々の対応に追われて教育・研修の時間が確保できず、担当者のスキルアップの機会そのものが不足しがちになる点も課題です。

ヘルプデスク業務を外部委託するという選択肢とは?

社内運用の課題を解決する方法の一つが、ヘルプデスク業務の外部委託です。専門業者に一部または全部の業務を任せることで、社内運用の課題を根本から解消できる可能性があります。

ヘルプデスクを外部委託する主なメリット

  • 専任オペレーターによる対応で、品質を安定させやすい
  • 問い合わせ対応を切り出し、社内担当者の負担を軽減できる
  • 必要な業務だけを委託するなど、自社に合わせて体制を構築できる

専任オペレーターによる対応品質の安定化

ヘルプデスク業務を外部委託する最大のメリットは、定型的な問い合わせ対応を専任オペレーターに任せられる点です。専任オペレーターが対応することで属人化を防止でき、対応品質を安定させやすくなります。即座に専門オペレーターによる対応体制を構築できるため、社内に負担をかけずに運用を安定化できる点も利点です。

体制構築にかかるコストの面でも違いがあります。IT・セキュリティ分野の専任担当者を1人雇用する場合、給与や社会保険料などを含めた月あたりのコストは30万円以上になるとされる一方、外部の専門業者に運用を任せる場合は月数万〜10万円程度からという試算もあり、体制構築のコスト差は無視できません。

柔軟な体制構築ができる外部委託の特徴

外部委託のもう一つの特徴は、体制を柔軟に組み立てられる点です。

例えば「トラブル対応の窓口だけを委託し、サーバーやクラウドサービスの日常的な運用は自社で行う」というように、必要な範囲だけを選んで依頼することもできます。

すべての業務を丸ごと任せるだけでなく、社内リソースとの分担を細かく設計できる点は、情シス担当者が不在・兼任の中小企業にとって取り入れやすいポイントです。

ヘルプデスク業務を委託できるCTSのIT保守サポート

ヘルプデスク業務の外部委託先を検討する際の一例として、CTS(シーティーエス株式会社)のIT保守サポートがあります。中小企業向けのITサポート&サービスとして、PC10台以下であれば月額22,000円(税抜)から、貴社専用のITサポートセンターを開設してヘルプデスク業務を提供しています。契約後は初期現場調査でIT資産とネットワーク環境を把握したうえでIT資産管理台帳を作成し、改善点のアドバイスを経てサポートセンターを開設する流れで導入が進みます。

開設後に発生したトラブルの多くは、電話やメールでの一次対応で解決できます。リモート対応が必要な場合も、起動のたびに使い捨てのパスワードが発行される仕組みのソフトウェアを使用しており、サポート側から無断で接続することはできません。問い合わせ対応やトラブルシューティングといった日々のヘルプデスク業務から、IT資産管理・セキュリティ対応まで幅広くカバーできる点が特徴です。

自社の状況に応じてどこまでの業務を委託するかを検討する際の選択肢の一つとして、資料をあわせて確認してみてください。

CTSのIT保守サポートの特徴
  • PC10台以下なら月額22,000円(税抜)から利用可能
  • 企業専用のITサポートセンターを開設
  • 電話・メールによるトラブルの一次対応
  • IT資産管理やセキュリティ対応まで幅広くカバー
  • 必要に応じてリモートによるサポートにも対応

よくある質問

Q. ヘルプデスクと問い合わせ窓口は同じものですか?

A. 問い合わせ窓口という言葉は幅広い意味で使われますが、ヘルプデスクはその中でも主にIT機器やシステムに関する技術的な問い合わせやトラブルに特化して対応する機能を指します。総務や経理などの一般的な問い合わせ窓口とは対応内容が異なります。

Q. ヘルプデスクとカスタマーサポートは何が違いますか?

A. カスタマーサポートは自社製品・サービスの利用者(顧客)を対象とする社外ヘルプデスクに近い機能で、製品知識や接客スキルが重視されます。一方、社内ヘルプデスクは自社の従業員を対象に、社内制度の理解とIT知識全般をもとに対応する点が異なります。

Q. 中小企業でもヘルプデスクを設置する必要はありますか?

A. 従業員数が少ない企業ほど、IT担当者を専任で置く余裕がなく、日々の問い合わせが特定の社員に集中しやすい傾向があります。専任の部署でなくても、問い合わせを受け止める窓口や仕組みを用意しておくことで、対応の抜け漏れや負担の偏りを防ぎやすくなります。

Q. ヘルプデスクを外部委託すると社内の情報は把握しにくくなりませんか?

A. 委託先との間で問い合わせ内容や対応履歴を共有する仕組みを整えておけば、外部委託後も社内で状況を把握し続けることができます。委託を検討する際は、報告やナレッジ共有の運用方法をあわせて確認しておくと安心です。

まとめ

ヘルプデスクとは、従業員や顧客からのIT関連の問い合わせやトラブルに対応する仕事や機能であり、基盤の導入・管理を担う社内SEとは役割が異なります。企業規模が小さいほどシステム担当者の不在率が高く、日々のIT問い合わせを受け止める窓口が定まらないことで、特定の社員への負担集中や対応の遅れが起きやすい状況にあります。

社内だけでヘルプデスクを運用しようとすると、コア業務の時間不足、対応の属人化、負荷の集中といった課題に直面しがちです。これらの課題を根本から解消する方法として、専任オペレーターによる対応品質の安定化と柔軟な体制構築が可能な外部委託という選択肢があります。自社の問い合わせ対応の実情を振り返り、社内運用と外部委託のどちらが自社に合っているかを検討してみてください。

この記事のまとめ

  • ヘルプデスクは従業員のIT問い合わせに一次対応する窓口であり、社内SEとは役割が異なる。
  • 企業規模が小さいほどシステム担当者不在率が高く、対応窓口の整備が課題になりやすい。
  • 社内運用の属人化や負荷集中に悩む場合は外部委託の活用を検討する。

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