【4月第4週】診察もネットで、注目の「オンライン診療」
新型コロナウイルス感染拡大により、外出による感染や院内感染などのリスクが心配で、病院へ足を運ぶことを敬遠しているという方も少なくないでしょう。そんななか注目を集めているのが「オンライン診療」です。今回は、オンライン診療の実態やサービスをご紹介します。
オンライン診療の実態調査・意識調査
この度株式会社メドレーは、同社が提供するオンライン診療システム「CLINICSオンライン診療」における利用実績データおよび、アンケート調査結果から、オンライン診療の利用実態や医師の利用意向などの調査結果を発表しました。[調査概要:1.CLINICSオンライン診療5周年からみる、オンライン診療の利用実態 2.オンライン診療を利用する医師への意識調査]
今まで、オンライン診療に対する懸念点に対する臨床現場の声について、まとまったデータは存在していませんでした。今回行った調査の中で、今後の議論が臨床現場の実態にあったものとなることを期待し、代表的なオンライン診療に対する懸念点として以下の3点についてオンライン診療を活用する医師にアンケートを行っています[2.オンライン診療を利用する医師への意識調査]。
(1)コンビニ受診等の不必要な診療が増えるのでないか
オンライン診療によってコンビニ受診が増減したかについて聞いたところ、95%の医師は「減った」「どちらかといえば減った」「変わらない」と回答。同社では、オンライン診療がコンビニ受診などを助長する可能性は低いと推察されると分析しています。
(2)地域の医療圏が壊れるのではないか
オンライン診療の実施によって、遠方患者の割合が増加したかについて聞いたところ、73%の医師が「変わらない」との回答。また、「増えた」「どちらかといえば増えた」と回答した医師は27%でした。増加傾向であると回答した医師に遠方患者の受診理由について尋ねたところ、「近隣にオンライン診療を実施しているところがない」「専門性が高い診療を行っている」ことが大半を占めました。定期通院の多くは検査や身体診察などの対面診療と組み合わせることが前提。同社では、アンケート結果から現時点でオンライン診療が医療圏に与える影響は小さく、今後オンライン診療に対応する診療所・病院が増えることで、その影響はさらに小さくなっていくと考えられると分析しています。
(3)医療の質を落とすのではないか
自身の診療にオンライン診療を取り入れることによって、患者に提供する医療全体の質はどう変化すると感じるか聞いたところ「悪くなる」「どちらかといえば悪くなる」と回答した医師は1割に留まり、9割の医師は医療全体の質は落ちないと考えていることがわかりました。さらに、医療全体の質は「良くなる」「どちらかといえば良くなる」と回答した医師は約半数にのぼります。同社によると、オンライン診療は医療の質が落ちるのではないかという懸念が生じがちですが、「より良い診療を提供するための選択肢」として医療現場で活用されているとしています。
『「CLINICSオンライン診療」サービス開始5周年からみる、 オンライン診療の実態調査』
(出典:2021年4月19日 株式会社メドレーより)
「オンライン診療」サービス紹介
以下に代表的な「オンライン診療」サービスをご紹介します。
■オンライン診療・服薬指導アプリ CLINICS (クリニクス)
株式会社メドレーの「CLINICSオンライン診療」は、離れた場所にいる医師と患者をビデオチャットでつなぐオンライン診療をスムーズに実施するための各種機能を備えたオンライン診療システムです(2016年2月に提供を開始)。
現在は約2300の診療所・病院でCLINICSオンライン診療が利用されており(2020年12月末時点)、かかりつけ機能を担う診療所やクリニックを中心に導入が進んでいます。なお、地域医療の基本的な単位である二次医療圏の約70%をCLINICSオンライン診療を利用する診療所・病院でカバーしています。また、オンライン・セカンドオピニオンでの利用を中心に、全国各地の大学病院や中核病院でも導入が進んでいます。
前述の「1.CLINICSオンライン診療5周年からみる、オンライン診療の利用実態」によると、20〜40代の特に女性に多く利用されているといいます。その理由としては、仕事が忙しく通院時間を確保しにくいこと、子育てや介護により通院の負担が大きくなっていることなどが考えられます。また、産婦人科領域や皮膚科などにおいて女性の利用が進み、結果として女性患者の割合が多くなっていることも要因とのことです。
■LINEドクター
LINEヘルスケア株式会社の「LINEドクター」は、医療機関の検索・予約から実際の診察・決済まで、すべてLINE上で完結できるオンライン診療サービスです。スマートフォンで直接、医師の診察を受けることができます。新たなアプリをダウンロードする必要もなく、医療機関の検索・予約から、診察、決済まで、LINEアプリ上でシームレスに行うことができます。また、LINEドクターの利用料は無料で、受診される医療機関への診療費用、処方せんによる薬代や薬の配送料金は別途必要になります。
オンライン診療が浸透するにあたり、医療機関側の導入ハードルも課題となっていますが、「LINEドクター」は、医療機関に対してもオンライン診療の導入負荷を減らすことを目的として、医療機関の予約機能、LINEビデオ通話機能、決済機能が搭載されている「Basic Plan」を初期費用・月額費用無償で提供しています。
このように「オンライン診療」は、通院の負担なく隙間時間で自宅から自身やご家族の診療を受けることができるため、仕事や家族の用事などで忙しい方でも、医療とつながりやすくなることで、早期の治療や継続した治療が可能です。当然、すべてオンライン診療でまかなえるわけではありませんが、これからの時代の選択肢として非常に有効な医療手段といえるでしょう。
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